元WBA・IBF世界L・フライ級チャンピオン田口良一選手引退
- 2019.11.21
「井上尚弥戦があったから世界王者になれた」
L・フライ級統一王者の田口良一選手引退
都内で記者会見を開き、元WBA・IBF世界L・フライ級チャンピオンの田口良一(ワタナベジム所属)が11月20日、現役引退を発表した。
将来的の計画はボクシングジムを開設し後進の指導に頑張っていくようである。
会見した田口は「いまは清々しい気持ちでいます。カムバックとかそういうことは間違いなくないので安心してください」と少しジョークを交えながら引退の報告をしていた。
今年3月、WBOフライ級王者の田中恒成(畑中)に敗れてから2か月後くらいに引退を決意したという。「世界戦で2連敗して、ここから再スタートとなったとき、そこまでのモチベーションはなかった」と決意に至った理由を語った。
田口は高校1年生で横浜光ジムに通い始めたが1,2ヶ月くらいしか行かないでやめてしまった。これではいけないと思い校卒業後にワタナベジムに入り、プロテストに合格し2006年にプロデビューを勝利で飾った。
しかしそのころのことをこう語っている「4回戦のときはスタミナがなさすぎて8回戦も難しいと思っていた。その自分が12ラウンドの世界戦までやるようになってのは不思議な気持ちがします」と語るように4回戦の頃は注目されるような選手ではなかったようです。
それでもキャリアを重ねていき13年に日本タイトル14年12月31日WBA・L・フライ級王座を獲得して6度の防衛に成功。7度目の防衛戦ではIBF王者ミラン・メリンド(比)を判定で破って2団体統一王者となった。生涯戦績は33戦27勝12KO4敗2分というレコードを残している。
思い出に残る試合は「すべて」と答えた田口氏だが、日本王者として井上尚弥(大橋)を迎えた13年8月の初防衛戦は特別なものだった。世界タイトル挑戦のため王座返上のプランを蹴って井上戦を選択した田口は「あの試合があったからこそ世界チャンピオンになれたと思う。そのあとの試合はいつも井上選手よりも強くないから大丈夫と思えた」と胸を張り、目先の世界戦を断り井上尚弥選手から逃げずに日本タイトルを行った田口氏も立派だと思うしその選択が先への飛躍に繋がった。
現在はボクシング&フィットネスジム「SOETE」(ワタナベジムOB柴田明雄さんが経営)などでトレーナーをしながら将来のジム経営に向けて勉強中だという。「これからのチャンピオンはほぼアマ出身者になると思うけど、信念を持ってやってほしい」とアマ経験のない選手たちに希望のある言葉をのべていた。
なお、引退式は12月10日後楽園ホール「ガッツファイティング」でスパーリングも行う予定になっているようである。メインイベントの三代大訓(ワタナベジム)vs.木村吉光(白井・具志堅Sジム)のOPBF・S・フェザー級タイトルマッチのなかで行なわれる。
ワイルドビートボクシングスポーツジム 大阪|豊中